国際運送約款

第4条 (賃率及び料金)
(A) (適用賃率及び料金)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、この約款及び会社規則の定めに基づく運送には、会社が適法に公示した賃率及び料金で、航空運送状の発行日に有効な賃率及び料金が適用します。収受した賃率又は料金が上記に基づき適用する賃率又は料金でない場合には、各場合に応じて、その差額を荷送人若しくは荷受人に払戻し又は荷送人若しくは荷受人から追徴します。
(B) (空港間の運送のみへの適用)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、賃率及び料金は、出発地の空港から到達地の空港までの運送にのみ適用します。
(C) (賃率及び料金の適用優先順位)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、会社規則に公示している通し賃率又は料金は、同一経路による同一地点間に適用する区間賃率又は区間料金を合算した賃率又は料金に優先して適用します。
(D) (重量割引)
同一の出荷形態での同一経路による同一地点間の同一品目につき重量段階の異なる二つ以上の賃率がある場合には、次のいずれか最も低額の料金を適用します。
(1) | 当該貨物の重量に基づき当該重量に適用する賃率により算出した料金。 |
(2) | 当該貨物の重量に適用する重量段階よりも重い次の重量段階の重量に基づき当該の重い重量に適用する賃率により算出した料金。 |
(3) | 貸切飛行機貨物に適用する料金。 |
(E) (賃率及び料金に含まれない業務)
公示賃率及び料金は、その公示賃率及び料金に示されている地点又はその地点に近接する地点の空港その他の着陸地間の貨物の航空運送に適用します。会社規則に別段の定めのある場合を除き、当該公示賃率及び料金は、次の業務又は費用を含みません。
(1) | 会社が航空便を運航している空港における集荷サービス・配達サービス及び市内空港間サービス。 |
(2) | 保管及び倉庫業務。 |
(3) | 保険料。 |
(4) | 前払費用。 |
(5) | 貨物の通関のため会社その他の者(荷送人、荷受人、荷主又は会社の代理人として行為するかどうかを問いません。)が支出する費用。 |
(6) | 官公署により賦課徴収される手数料又は科料(公租公課を含みます。)。 |
(7) | 荷造補修のために会社が支出する費用。 |
(8) | 他の運送機関による出発地空港までの貨物の運送、貨物の積替若しくは到達地以遠への貨物の運送のための費用又は出発地への貨物の返送のための費用。 |
(9) | その他類似の業務又は費用。 |
(F)(料金の支払)
(1) | 料金は、為替関係法令及び官公署の規制に反しない、会社が指定する通貨であれば、賃率又は料金が公示されている通貨以外の通貨でも支払うことができます。公示賃率又は料金の支払通貨への換算は、会社が定める換算率により、次に従いなされます。
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(2) | 前払若しくは着払の適用料金の全額、手数料、公租公課、諸費用、前払金及び会社が支出し又は支出させられた支払金並びに会社に支払われるべきその他のすべての金額は、貨物の滅失、紛失、毀損又は航空運送状に明記された到達地への未着にかかわらずその全額が支払われなければなりません。貨物の滅失、紛失又は毀損に係る損害賠償請求はすべての運送費用の支払がなされなければ受付けません。ただし、貨物のどの部分も引渡されていない場合には、当該貨物の運送料金が未払であったとしても当該貨物に関する損害賠償請求を受付けます。損害賠償額を当該運送費用から差引くことはできません。 | ||||||||||
(3) | 運送のため貨物が差出された時点で確定できない料金、費用又は立替金については、会社は、当該料金、費用及び立替金を補うに充分であると会社が認める概算額を会社に預入れるよう荷送人に対して要求することができます。当該預人にともなう会社から荷送人に対しての残金の払戻又は荷送人から会社に対しての追加支払については、運送契約の完了後の当該料金、費用及び立替金の額が確定した時点で精算します。 | ||||||||||
(4) | 会社が事前にクレジット供与に同意した場合を除き、貨物に適用するすべての料金は、料金前払貨物(すなわち、運送のための貨物の受取にあたり荷送人により料金が支払われる貨物)の場合には、会社がその貨物を受取ったときに、料金着払貨物(すなわち、引渡のときに荷受人により料金が支払われる貨物)の場合には、会社がその貨物を引渡すときに、現金又は会社の指定する他の支払手段で支払われなければなりません。 | ||||||||||
(5) | 荷送人は、すべての未払料金、前払金及び会社の立替金の支払並びに次の事由により会社が支払い又は蒙ったすべての経費、出費、罰金、科料、時間の空費、損害その他の金額の支払につき保証するものとします。
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(6) | 貨物の総重量、寸法、数量又は申告価額が当初に運送料金の計算基礎となった総重量、寸法、数量又は申告価額を超過する場合には、会社は、当該超過に基づく料金の支払を要求することができます。 | ||||||||||
(7) | 前払料金から着払料金への変更、又はその逆の変更はできます。ただし、この要求は、貨物の荷受人又はその代理人への引渡し前に荷送人により書面でなされた場合に限ります。 |
(G)(端数の処理)
(1) | 賃率又は料金の計算の結果端数のある額となる場合には、会社規則に従い、所定の単位に四捨五入します。 |
(2) | 容積計算にあたっては2分の1センチメートル未満又は2分の1インチ未満の端数は切捨て、2分の1センチメートル以上又は2分の1インチ以上の端数は1センチメートル又は1インチに切上げます。 |
(3) | 2分の1キログラム以下の端数は2分の1キログラムとして料金を申し受け、2分の1キログラムを超える端数は1キログラムとして料金を申し受けます。 |
(4) | 1ポンド未満の端数は1ポンドとして料金を申し受けます。 |
(5) | 容積の計算は荷の最大容積に基づくものとし、数個の荷が一緒にゆわえつけられている場合には、ゆわえつけられた荷全体の最大容積に基づきなされます。最大容積は、荷の最大高、最大幅及び最大長の相乗積とします。 |
(H)(料金の基礎)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、運送のための賃率及び料金は、貨物の総重量に基づいた料金又は総容積に基づいた料金のいずれか高い額に、従価料金が適用する場合には、これを加算したものとし、次の定めに従い算出します。
(1) | 料金は、出発地空港で決定された重量又は容積に基づき次に示す方法により計算し、より高い額となるものを申し受けます。
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(I)(最低料金)
会社規則に別段の定めのある場合を除き、適用賃率及び貨物の実重量(又は容積)に基づき算出した料金の総額(従価料金を除きます。)が会社規則に定める貨物1件当りの最低料金より低額の場合には、当該最低料金を申し受けます。
(J)(立替払手数料)
荷送人からの要求に基づき、会社は、運送料金、荷車運送料、保管料、会社以外の者が行なう搭載又は取卸のための手数料、公租及び通関手数料等の立替払金として航空運送状に記載された金額を荷受人から徴収します。立替払金額の徴収及び荷送人への送金に対しては会社規則に定める手数料を申し受けます。立替払金額の変更は、貨物の荷受人又はその代理人への引渡し前に荷送人により書面でなされなければなりません。
(K)(着払手数料)
着払料金扱いに対しては、会社規則に定める手数料を到達地空港において申し受けます。
(L)(航空運送状発行手数料)
会社が航空運送状を作成又は補完する場合には、会社規則に定める手数料を申し受けます。
(M)(未公示賃率及び未公示料金の構成)
2地点間の賃率又は料金を特定して公示していない場合には、当該賃率又は料金は会社規則に従い構成されます。