日本貨物航空(NCA:Nippon Cargo Airlines)は日本で唯一の貨物専門航空会社。豊富な実績とノウハウを活かし、輸送戦略のスペシャリストとしてハイクオリティの航空輸送サービスを展開しています。

NCA -Nippon Cargo Airlines-
日本貨物航空株式会社

日本貨物航空について|国際航空貨物輸送を通じて国際交流を支え、日本と世界の社会・経済・文化の発展に貢献します。

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CSR活動

環境への取組み


航空機における取り組み

航空機から排出されるCO2の削減

航空機を運航するためには、燃料を消費し、それに伴い地球温暖化の一因であるCO2が排出されます。現状では石油を基にした化石燃料以外に代替燃料が普及していないことを踏まえ、燃料を有効に使用して効率よく貨物を輸送する事に全社を挙げて取り組んでおり、燃料消費の削減とCO2排出量の削減に努めています。

下記のグラフは有償輸送トンキロあたりのCO2排出量の推移です。2005年からボーイング747-200型貨物機の後継機として、ボーイング747-400型貨物機の導入を開始し、2008年には全ての機材を更新しました。
さらに、2012年から最新鋭のボーイング747-8型貨物機の導入を開始しました。その結果、2014年度は、2013年度と比較して、有償輸送トンキロが約17%伸張したにもかかわらず、有償輸送トンキロあたりのCO2排出量は約3%削減されました。
また、旧型機であるボーイング747-200型貨物機で運航していた2004年度と比較すると有償輸送トンキロあたりのCO2排出量は約32%減となっており、機材の積極的更新により環境に与える影響を大きく軽減している結果となっています。

※1 有償輸送トンキロ(RTK Revenue Ton-Kilometers)
貨物の重量(トン)数とその貨物を輸送した距離(kmキロメートル)を掛け合わせたもので表される輸送実績。1トンの貨物を1km輸送した場合のトンキロは、1トンキロとなる。航空会社の扱う貨物は殆どが有償貨物であるが、災害支援等の無償貨物も輸送することがあることから、貨物の重量(トン)を有償貨物のみに限り算出した値を「有償輸送トンキロ」という。

 

1. 航空機やエンジンの更新

最新型航空機の導入
NCAはボーイング747-400型貨物機の後継機種として、最新鋭の航空機であるボーイング747-8型貨物機を世界に先駆けて発注し、2012年7月25日に初号機を受領しました。 この航空機は、747-400型貨物機と比較して、「貨物搭載量」 「航続距離」の面で性能が上回るとともに、世界トップレベルの性能を誇るGE(ゼネラル・エレクトリック)社製のGEnxエンジンを装備した、静粛性が高くCO2排出量も少ない、環境にやさしい航空機です。今後も747-400型貨物機との入れ替えを順次進め、環境負荷低減に取り組んでまいります。

 

バイオジェット燃料への取り組み
2012年8月のボーイング社からの747-8型貨物機デリバリーフライト時には、米国シアトルから 成田空港までの空輸において、環境にやさしい次世代航空燃料(通常のジェット燃料に食用廃油から合成したバイオジェット燃料を15%混合したもの)を使用し運航を行いました。また、バイオ燃料は地球温暖化の原因となるCO2排出削減に大きく寄与することから、2014年以降の産・官・学一体となった様々な取り組みに対して、当社も積極的に参加しています。

 

2. 機体重量の軽減・地上における取り組み

貨物輸送容器(ULD)の軽量化
航空機への貨物搭載には、事前にコンテナなど金属で製造された貨物輸送容器(ULD)に貨物を積みつける方法をとります。NCAでは航空機への搭載重量削減を目的に、パレットと呼ばれる金属合金板の軽量器材を導入しています。軽量化にあたっては、製造業者との間で強度等に関し十分な確認をとりながら進めています。現在導入中の新型パレットは、従来のものと比較して9㎏の軽量化(従来比約8%減)となっています。この軽量化パレットの導入により、年間47トン(59kl)の燃料の削減と145トンのCO2削減が見込まれます。

※1 ULD(Unit Loaded Device)
航空機へ搭載する貨物輸送容器の総称で、箱型の「コンテナ」と板状の「パレット」に大別されます。NCAではここに述べた軽量化パレット以外にもお客様の輸送ニーズにあわせ様々なULDをご用意致しております。

リンク:ホーム > サービス案内 > 航空機・ユニット > ULD(Unit Load Device)

 

エンジン内部の洗浄
格納庫でのエンジン内部の洗浄風景

航空機を運航するにつれて、エンジンの燃焼室に空気を送る圧縮機(コンプレッサー)に、塵やゴミが付いて汚れてしまいエンジンの燃焼効率が悪くなり、より多くの燃料を消費するようになります。そこで、汚れを落とすために、温水を利用してエンジン内部の洗浄をしています。これによりエンジンの燃焼効率が回復し、燃料消費量が改善してCO2排出量の削減になります。また、エンジンが効率よく燃焼するので、エンジンへの負担が減り、結果的に、部品の交換などの整備作業の削減にもつながります。

エンジンの洗浄にはハンガーで貯水した雨水を有効利用しています。

 

駐機中におけるGPU(地上電源装置)の積極的な利用
左側トラックが飛行機へ電源を供給する移動式地上電源装置

航空機は飛行中、エンジンに取り付けられた発電機から電力を使用していますが、目的地に到着し、エンジンを停止した後も機内の照明などで電力が必要になります。航空機はジェット燃料を使用するAPUと呼ばれる補助動力装置を装備しており、エンジン停止時にはこのAPUを使用し、機内の照明や冷暖房の電力を賄う方法があります。そこで、GPUと呼ばれる地上から航空機に電力を供給する装置を利用すると、ジット燃料のェ消費を抑えCO2の排出や騒音を減らす事を目標に、GPUの積極利用を推進しています。

※1 APU(Auxiliary Power Unit)
航空機の主エンジンを始動させたり、空調・電気系統の動力源として利用される補助動力装置。ジェット燃料で作動するため、地上電源装置と比べてエネルギー効率が劣る。1時間APUの使用を控えると、燃油約ドラム1.5缶(300l)の消費を抑制し、CO2排出量で約0.7tの削減となる。

※2 GPU(Ground Power Unit)
地上にて航空機に必要な空調や電力を供給する施設。移動式(車載式)と固定式がある。

 

3. 効率的な運航方式

飛行方法の効率化

従来の空港間の航路・経路は、目的地までを地上無線施設で結んで設定されているため、折れ線構造となることが多く、やや不効率な面がありました。NCAでは新たに採用したRNAV(広域航法)運航方式により、経路上の無線施設に加えて衛星航法装置(GPS)や慣性航法装置等を利用することで、航空機の位置を確認し任意の地点をほぼ直線で結んだ経路を設定する事ができます。これにより航空機は目的地まで効率的な経路設定や路線の複線化が可能となり、飛行時間や距離が短縮されて燃料消費とCO2排出量の削減を果たしています。

 

着陸時の降下進入方法改善
航空機着陸時写真

航空機の着陸時に騒音を軽減するために工夫された運航方式に、「ディレイドフラップ/ギア進入方式」があります。空港へ着陸する際に、安定した進入ができる場合は、昇降舵(フラップ)やギア(車輪)を下げるタイミングを通常時より遅らせます。この対応により、機体に対する空気抵抗を減らして、降下時におけるエンジン推力を最小限度に抑えます。これにより騒音を軽減するとともに、消費燃料とCO2排出量の削減となります。

 

新しい飛行ルートの選定

航空機の飛行にあたっては、国、地域、その他各種制約により飛行可能なルートが予め決められていますが、NCAではこれらの制約を受けない範囲で、目的地を最短で結ぶルートの調査を常に行っています。2014年度の取り組みとしては、特に飛行距離の長い欧州線において新しいルートを追加したこと、また、米国線においては、航空会社が一定の枠内で任意に設定できるルート(UPR(User Preferred Route))を飛行し、上空のジェット気流(向かい風)の影響を抑えたことにより、対前年比で214トン(268kl)の燃料と660トンのCO2が削減されました。

 

重心位置の最適化
貨物航空機は、旅客航空機で座席となっている部分(メインデッキ)に最大34台、座席下の部分(ロワーデッキ)に最大32台の貨物輸送容器(ULD)を搭載して飛行します。(ボーイング747-8型貨物機の場合) これらの貨物輸送容器(ULD)はお客様からお預かりした様々な貨物を積み込んでいるため、それぞれ重量が異なります。重心位置の変化は飛行中に使用する燃料の消費量に影響します。NCAではこの重心位置を最適化することによる燃料消費量の削減に取り組んでいます。2014年度においては、年間約151トン(189kl)の燃料と446トンのCO2削減を見込んでいます。